最近、ある記事を読んでハッとしたんです。

「“睡眠”にお金を払う時代が来た」 https://news.line.me/detail/oa-rp25870/iaaimynmwkju

まくらの専門店や、睡眠特化のホテル、睡眠のプロによるコーチング── 「眠る」というごく当たり前の行為が、いまや“価値ある体験”として、お金を払ってでも得たいものになっているんですよね。

でもね、私がこの記事を読んで一番引っかかったのは、 「物価高で1人あたりの消費額は減少している」という現実の方でした。

これ、美容業界でもまったく同じことが起きていると思いませんか?

カットやカラーは必要だから来る。でも、ヘッドスパやフェイシャル、痩身、ネイルは“余裕があれば”って位置づけられがち。

そうなると、出費を見直すときに真っ先に削られやすいんです。

じゃあ、どうするか。

私は、「気持ちよかった」で終わらせないことが大事だと思っていて。

たとえば、ヘッドスパってリラクゼーションだけじゃなくて、自律神経を整えて、結果的に睡眠の質を上げたり、慢性的な疲労を軽減したりするんですよね。

でも、これって受けたお客様が自然に実感するには時間がかかるし、そもそもそんな効果があるって知らない方も多い。

だからこそ、私たちのほうから“意味付け”をして伝えてあげる必要があるんじゃないかって。

「これは、単なる贅沢じゃなくて、自分を整える時間なんですよ」ってね。

そして、もうひとつ思うのが、美容って本来、“未来への投資”であるべきなんです。

お客様の中にはきっと、こんなふうに感じている人も多いはずです。

「最近、疲れが取れないけど、病院に行くほどでもない」 「鏡を見るたびに、ちょっと落ち込む」 「なんとなく気分が晴れない…」

こういう曖昧な不調や、気持ちの停滞って、自分ひとりで抱えていると、どんどん重くなっていく。

でも、美容の力って、そういう“心と身体のもや”をスッと晴らすきっかけになれるんですよね。

ちょっとだけ自分に優しくできた日。 鏡の中の自分に「今日いい感じ」って思えた瞬間。

それが、明日の自分を前向きにしてくれる原動力になる。

だから、美容って「美しくなること」だけじゃなくて、 「生きやすさを取り戻す手段」でもあるんだって思うんです。

睡眠が“ただの休息”から“価値ある体験”として見直されたように、 美容もまた、“自分と向き合う時間”として、もっと再評価されるべきタイミングが来ている。

「あなたが明日を、もっと元気に迎えられるように」

そんなふうに伝えられるサロンや施術者でありたいなって。

私たちは、単なる技術者じゃなくて お客様の人生を、少し軽やかにする“パートナー”であってもいいと思うんです。

そんなふうに、美容の意味を、いま一度見つめ直してみてもいいかもしれません。