社長としての自分と、現場の一人としての自分

「社長って孤独ですよね」って言われることがあります。

たしかに、最終的な判断は自分ですし、責任も全部返ってくる立場です。だけど私は「孤独」とは思っていなくて、「責任ある立場をいただいている」と考えるようにしています。

もちろん、スタッフと距離を置くこともあります。これを聞くと「冷たい人なのかな」と思われるかもしれませんが、私は逆にその“距離感”こそが大事だと思っています。

スタッフにとっても、ずっと近くにいる存在って正直やりづらい時もあるはずなんです。だから必要なときには少し引いた位置から見守る。

でも、何か困ったことがあれば、私は全力で受け止めて、一緒に考える。

それが今の自分のスタンスです。

実際、LINEでも「そんなふうに言ってもらえて泣きそうです」と返ってくることがあります。 ひとりで抱え込まずにいてくれて良かったなと、こちらもグッとくる瞬間です。

現場には今でも入ります。時間があればシャンプーもカットもしますし、お客様との何気ない会話も自分にとって大切な時間です。

現場に立つことで一番感じるのは、自分自身が“職人としての感覚”を持ち続けられるということ。ビジネスに徹しようと思えば、もっと儲かるものに特化した方が効率的かもしれません。でも私は、あえて現場を知る職人経営者として、多少非効率でも、スタッフがやりがいを感じられる工夫を残したいと思っているんです。

社長の目線になると、やっぱり見る視野が変わります。 たとえば現場だと「今週の予約どうしよう」が焦点になりますが、社長としては「このスタッフが3年後も笑顔でここにいるためには?」「このサロンが5年後も選ばれるためには?」といった視点になります。

だからこそ、私は両方の視点を行き来することが大事だと感じています。

感情に流されず、仕組みで判断すること。 でも、現場のリアルな声を無視しないこと。

このバランス感覚を、私はとても大切にしています。

社長である前に、仲間のひとりでいたい。

まだまだ手探りなことばかりだけど、そうやってスタッフと一緒に悩み、考え、進んでいける存在でありたいと思っています。

次回は、このブログを読んでくださっている皆さんに、私がどんな「美容の未来」を描いているのかをお話ししたいと思います。