縮毛矯正をかけて、仕上がりは気に入っていたのに、数日たって髪を触ったら指に切れ毛がついてきた。ブラッシングのたびに短い毛が落ちる。
「あんなにまっすぐになったのに、どうして」と、鏡の前で固まってしまう。そんな気持ちになる方は、実は少なくありません。
髪がちぎれると、まず「美容師さんの腕が悪かったのかな」「自分の髪が悪いのかな」と原因を探したくなります。ですが多くの場合、分かれ目は施術の前、つまりかける前に髪の状態をどこまで見極められたかにあります。
この記事では、縮毛矯正のあとに髪がちぎれてしまう背景と、施術前に美容師が確認していること、そしてお客様ご自身が伝えておくと安心なことをお話しします。
縮毛矯正のあとに髪がちぎれるのは、なぜ起きるのか

縮毛矯正は、薬剤で髪の内部の結びつきをいったんゆるめ、アイロンの熱で形を整えて固定する施術です。髪にとっては、薬と熱の両方から負担がかかる工程です。
健康な髪であれば、その負担を受け止める余力があります。ところが、すでに髪の内側が弱っているところに同じ負荷が加わると、受け止めきれなくなります。
仕上がった直後は見た目がまとまっていても、数日後にブラッシングやタオルドライ、結ぶ動作といった日常の小さな力が重なって、弱い部分から切れていく。これが「ちぎれる」ことの正体です。
SNSでも、縮毛矯正後に数日たってから髪が切れ始めたという体験談が話題になっていました。その中で共通して語られていたのは、ブリーチなどの履歴があると、髪にかかる負担が大きくなるという点です。
私たち美容師の目線で見ても、これはその通りだと思います。髪が切れる原因は「縮毛矯正そのもの」というより、その髪にその施術を、そのままの設計で行ってよかったのかというところにあります。
「施術のあとで気づく」のでは遅い理由
髪のダメージは、一度切れてしまった部分を元に戻すことができません。トリートメントで手触りを整えることはできても、切れた毛を元の長さに戻すことはできないのです。
だからこそ、起きてから対処するのではなく、起きないように施術の前で見極めることが大切になります。
施術前に美容師が確認する髪の状態
ここからは、縮毛矯正やストレートの前に、美容師が確認するポイントをお伝えします。当店でも、ダメージをさせない施術のために、かける前の見立てをいちばん大切にしています。
1. ブリーチ・ハイライトの履歴
いちばん気をつけて確認するのが、ブリーチの履歴です。ブリーチは髪の色素を抜くために、髪の内部まで大きく作用します。
そのため、ブリーチ毛に縮毛矯正を重ねると、髪が弱りやすくなります。いつ、どの範囲に、何回行ったのか。毛先だけなのか、全体なのか。細かなハイライトでも同じです。
お客様ご自身が忘れている場合もあるので、「ずっと前のことだから」と思わずに、覚えている範囲でお伝えいただくと見立てが正確になります。
2. これまでの縮毛矯正・ストレートの履歴
過去に縮毛矯正をかけた部分と、まだかけていない新しく伸びてきた部分では、髪の強さがまったく違います。
何度も繰り返しかけてきた毛先は、すでに薬剤と熱を何度も受けています。そこへ新しく伸びた根元と同じ薬剤を、同じ強さで塗るのは負担が大きくなります。
根元の伸びた部分だけを施術するのか、毛先は別の考え方にするのか。履歴によって設計が変わります。
3. カラーの回数とホームカラーの有無
ヘアカラーも、回数が重なれば髪に負担がかかります。特に、市販のカラー剤で全体を染めてきた髪は、毛先と根元で状態が大きく異なることがあります。
美容室でのカラーなのか、ご自宅でのカラーなのか。どのくらいの間隔で染めているのか。この情報は意外と大切で、お話をうかがうとそれだけで髪の状態の想像がつくことがあります。
4. 髪の「伸びる力」と「戻る力」
髪を実際に見て、触って確かめることも欠かせません。濡れたときにどのくらい伸びるか、引っ張ったあとにどのくらい戻るか。
健康な髪は適度に伸びて、元に戻ります。弱った髪は、伸びたまま戻らなかったり、ぷつっと切れやすかったりします。触り心地に頼るだけではなく、髪が持っている力そのものを確認します。
5. 部位ごとの違い
同じ頭の中でも、場所によって髪の状態は違います。毛先、中間、根元。そして、顔まわりやえり足などは細くて弱いことが多く、そこだけ扱いを変える必要が出ることもあります。
「全体を同じ薬剤で一律に」という考え方では、弱い部分だけが耐えきれなくなってしまいます。部位ごとに見て、薬剤や塗り分けを決めることが、ちぎれを防ぐ大きなポイントです。
見立てた結果、すぐにかけないという選択もあります
髪の状態を確認した結果、「この髪には、いま縮毛矯正をかけない方がいい」とお伝えすることもあります。
お客様にとっては、せっかく予約して来たのに残念に感じられるかもしれません。ですが、無理にかけて髪が切れてしまうより、少し待ってでも髪を整えてから行う方が、結果的にずっときれいに仕上がります。
選択肢としては、次のようなものがあります。
- 先にトリートメントなどで髪の状態を整え、時間をおいてから施術する
- 弱っている部分を避けて、根元の伸びた部分だけを施術する
- 縮毛矯正ではなく、自然な落ち着きを出す方向のストレートを選ぶ
- 傷んだ毛先をカットして、施術に耐えられる範囲から整える
「できない」と言われた経験がある方の髪の考え方は、「縮毛矯正はできない」と言われた髪でも、諦めなくていい理由にもまとめています。
当店が大切にしている考え方
当店umbrellaは、「ダメージをさせない」髪質改善を核にしています。その考え方は、縮毛矯正やストレートでも同じです。
大切にしているのは、かけた日の仕上がりよりも、かけたあとまでを考えて設計することです。差が出るのは、施術当日ではなく、2週間後、3週間後の髪だと考えています。
髪質改善ストレートは、髪の状態を見たうえで、薬剤の選び方を決めていきます。薬剤の選び方については縮毛矯正の薬剤選び、美容師は髪のどこを見ている?で詳しくお話ししています。
メニューと料金は、2026年10月時点で次のとおりです。
- 髪質改善ストレート (カットなし):¥24,530 (税込)
- 髪質改善ストレート+カット:¥27,830 (税込)
料金の詳細はメニュー・料金ページでご確認いただけます。
髪質改善全般の考え方は、髪質改善のページにもまとめています。
施術前にお伝えいただきたいこと
ご予約やカウンセリングのときに、次のことをお伝えいただけると、より正確に見立てることができます。
- ブリーチやハイライトをした時期と、範囲 (毛先だけ・全体など)
- 過去に縮毛矯正やストレートをかけた時期と、頻度
- 美容室でのカラーか、ご自宅でのカラーか。おおよその間隔
- 髪が切れやすい・絡まりやすいと感じる場所があるか
- 縮毛矯正やストレートを経験して、嫌だった・不安だった点
特に最後の項目は大切です。「真っ直ぐになりすぎないか」「傷まないか」といった不安は、実際に多くの方が持っていらっしゃいます。不安をそのまま伝えていただくことで、仕上がりの方向性も決めやすくなります。
覚えていないことは、無理に思い出さなくても大丈夫です。分からない部分は、こちらで髪を見て確認します。
施術後の過ごし方で気をつけたいこと
髪がちぎれる原因は施術前の見極めが中心ですが、施術後の扱い方でも負担は変わります。
- 濡れた状態の髪は弱いので、タオルでこすらず、押さえるように水分を取る
- 乾かすときは、根元から先にしっかり乾かす (濡れたままで放置しない)
- ブラッシングは毛先から少しずつ、絡まりをほどいてから
- きつく結ぶ・強く引っ張るヘアスタイルは、しばらく控えめにする
髪を結ぶ位置を毎日同じにせず、少しずつずらすだけでも、特定の場所への負担は減らせます。
施術から数日後に、気になる切れ毛やちぎれが見られたときは、そのままにせず、早めに施術を受けた美容室へ相談してください。状態を見て、ケアの方法をお伝えしてもらえるはずです。
よくあるご質問
Q. 縮毛矯正をかけたら、必ず髪はちぎれますか?
いいえ、必ずそうなるわけではありません。髪の状態に合った薬剤と工程で施術すれば、負担を抑えることができます。ちぎれが起きやすいのは、ブリーチ履歴や繰り返しの施術などで、髪がすでに弱っているところに、そのまま強い施術を重ねた場合です。
Q. ブリーチをしたことがあると、縮毛矯正はもうできませんか?
一概には言えません。ブリーチの範囲や回数、そこからの時間、髪の現在の状態によって変わります。まずは髪を見てから判断するのが基本です。場合によっては、先に髪の状態を整えてから、または別の方法をご提案します。
Q. 施術前のカウンセリングでは、何を聞かれますか?
ブリーチやカラーの履歴、これまでの縮毛矯正の経験、普段のお手入れ、気になっている部分などをうかがいます。あわせて、実際に髪を触って確認します。覚えている範囲で大丈夫です。
Q. 数日たってから髪が切れ始めた場合、どうすればいいですか?
無理にブラッシングしたり、強く結んだりせず、まずは髪を休ませてください。そのうえで、施術を受けた美容室に早めにご相談いただくのがおすすめです。状態によってケアの方法が変わります。
Q. 髪質改善ストレートは、縮毛矯正と同じですか?
当店では、「ダメージをさせない」ことを前提に、髪の状態を見て設計する施術として行っています。仕上がりは不自然にまっすぐすぎない、扱いやすさを大切にしています。一般的な縮毛矯正との違いは縮毛矯正と髪質改善、悩み別の選び方でもご紹介しています。
まとめ
縮毛矯正のあとに髪がちぎれる背景には、薬剤と熱による負担に対して、髪が耐えられる状態ではなかったことがあります。
そして、それを防ぐ最も確実な方法は、かける前に、髪の状態を丁寧に見極めることです。ブリーチや縮毛矯正の履歴、カラーの回数、髪の伸びる力と戻る力、部位ごとの違い。これらを確認したうえで、かけるか、待つか、別の方法にするかを決めます。
年齢を重ねるほど、髪にはケアを重ねてきた分の違いが出てきます。今の髪としっかり向き合い、必要なケアを選ぶことが、きれいな髪を長く保つ近道だと当店は考えています。
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縮毛矯正やストレートが不安な方は、まずカウンセリングだけでもお気軽にご相談ください。
umbrella (アンブレラ)
住所:群馬県前橋市小相木町388-1
電話:027-253-5657
営業時間:9:00~19:00
定休日:毎週日曜日
駐車場:19台






